日別アーカイブ: 2013/03/15

未来派野郎特集 part2 坂本龍一 – 黄土高原

作曲:坂本龍一
坂本の作品では数少ない、オーソドックスなコード進行を持
つ楽曲のひとつ。テクノの呪縛がとけて、いわゆるフュージョ
ン的なテイストが全面に出ている。

エレクトリックピアノの演奏は、手で演奏したものを一度NEC
PC-9801対応のカモンミュージック社製音楽制作ソフト“レコ
ンポーザ”に取り込んで細かくエディットされ、人間とコンピュー
タの中間の独特なノリを狙っている。16分音符と32分音符の
組み合わせによる細かなシーケンスフレーズが曲を通して
流れ続ける。

パッヘルベルのカノンをモチーフとしたコーラスは、吉田美奈
子による多重録音による。レコーディング中にたまたま遊びに
来た飯島真理が気に入り、歌詞をつけて12インチシングル
「遥かな微笑み」としてカヴァーしている。

なお、曲名の「黄土高原」は「こうどこうげん」とも「おうどこう
げん」とも発音できるが坂本自身は前者を使用している。

未来派野郎特集 part1 坂本龍一 – Broadway Boogie Woogie

作詞:ピーター・バラカン / 作曲:坂本龍一

坂本にとっては初めての、ブルースコードを使用したロックン
ロール的ダンスナンバー。曲名は、ピート・モンドリアンのマ
ンハッタンを上から見下ろした様を描いた絵画の題名からと
られた。

ヴォーカルはバーナード・ファウラーと吉田美奈子。曲中流
れる男女の会話は、映画「ブレードランナー」からワンセンテ
ンスずつサンプリングして、それぞれ別の場所にあったもの
を会話風にコラージュされた。

間奏のギターソロは当時21歳だった鈴木賢司。最初鈴木は
別のフレーズで演奏したが、坂本から「鈴木賢司らしい(ヘ
ヴィーな)演奏を」と注文されて録音されたテイクが採用され
た。

サックスはジェームス・ブラウンのバンド、J.B.’sにも在籍し
ていたことで知られるメイシオ・パーカー。